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「息切れ、動悸、なんとなくだるい」ありふれた症状ですが肺高血圧症かもしれません

2018.05.31

先日は名古屋ハートセンターの伊藤立也先生にお声をかけていただき、肺高血圧症の講演会の座長をつとめさせていただきました。

講演の内容は本当に素晴らしく、大変勉強になりました。

岐阜ハートセンターの平田哲夫先生からは「豊橋、名古屋、岐阜ハートセンターにおける肺高血圧症診療」と題して、肺高血圧症の概念、分類、診断と治療法などについて実際の症例を提示していただきながらわかりやすくご講演いただきました。

京都大学循環器の木下秀之先生からは「肺動脈性肺高血圧症の見つけ方となおし方」と題して、臨床症状や心エコー、右心カテーテルの圧の評価のしかた、治療法、そして肺移植について、実際の症例もまじえて非常にわかりやすくご講演賜りました。

印象に残ったありがちな症例です。20代で膠原病の一種である全身性エリテマトーデス(SLE)と診断されステロイド治療中、30歳を過ぎて出産。産後からなんとなく労作時息切れ 軽度の倦怠感が持続するようになった。かかりつけ医に相談したが「産後の疲れ」「産後うつ状態」くらいにしか受け取ってもらえず、そのまま数年経過。症状がどんどん酷くなり起坐呼吸となった状態で京大病院に紹介入院。肺高血圧症による右心不全がかなり進行した状態であったそうです。SLEのかたが出産後に肺高血圧症を発症するケースはよく見られるため症状に注意が必要です。

今から10年以上前のことですが、わたしは大学病院で働いているときに、肺高血圧症と診断されている患者さんにエポプロステノールの導入をしていたことがあります。薬剤が著効すると肺動脈圧も下がり臨床症状もかなり改善するのですが、そのような時期は長くは続かず、ある時急に失神したり心不全が増悪して亡くなってしまいます。その時分と比べると治療方法も治療薬も格段に進歩して、予後も随分改善してきています。しかしながら肺高血圧症の予後を改善するためには早期に発見して早期に適切な治療介入をしなければなりません。肺高血圧症の患者さんの予後を改善するために、わたしたち開業医にできることは、肺高血圧症の早期発見だと思います。肺高血圧症に特異的な症状はありません。「なんとなく怠い ときどき息が切れる」といった非特異的な症状から、「肺高血圧症かも?」と疑ってみることができるかどうかが大切です。もっとも有用なのは 心エコーの右心負荷と三尖弁逆流です。心電図 胸部レントゲンも右心負荷所見がみられれば本症を強く疑います。(ちなみに演者の京都大学の木下先生は、「京大病院の職員健診の胸部レントゲン写真をじっと見ていると肺動脈が拡張しているように見えてきて、1人/5人くらいの割合で肺高血圧症なんじゃないか?!と思ってしまいます(笑)」と笑っておっしゃってました) 名古屋ハートセンターは4月から毎週水曜日に平田先生が肺高血圧症外来をはじめられたそうで、早期に治療介入ができるよう、倦怠感の鑑別疾患に肺高血圧症を考えて、見落としがないようにしっかり診療していかねば、と思いました。

貴重な機会を与えてくださいました名古屋ハートセンターの伊藤立也先生、ご講演賜りました岐阜ハートセンターの平田哲夫先生、京都大学の木下秀之先生、本当にありがとうございました。

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